東京電力福島第1原発事故の賠償総額の見積もりを従来の想定より約9500億円多い約7兆753億円に増やすなどした東電の新総合特別事業計画(再建計画)の一部改定版が28日、経済産業相の認可を受け、正式に決定した。原子力損害賠償・廃炉等支援機構と東電が10日、共同で申請していた。
政府が6月に復興指針を改め、商工業者への営業損害の賠償を平成28年度分までで終えるなどとしたことを受け、東電は約6兆1252億円と見ていた賠償総額を改めて計算し直し、改定版に盛り込んだ。
改定版にはこのほか、福島第1原発の廃炉に向け、日本原子力発電やメーカーとの協力体制を強化する必要性や、28年4月からの電力小売り全面自由化にあわせ、東電が持ち株会社へ移行する目的などを盛り込んだ。
柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が遅れている状況を反映した新たな収支計画と、それに対応した事業改革プランは今回盛り込んでおらず、今後、再建計画を本格的に改定するさいに反映させる。