「深くおわび申し上げる」。通信教育大手ベネッセコーポレーションの大規模な顧客情報漏えいが発覚した9日、東京都内のホテルで記者会見した親会社の原田泳幸会長兼社長は硬い表情で謝罪した。事業への影響を問われると「計り知れない」と肩を落とした。
東京都中央区のホテルで同日夕から開かれた会見。フラッシュを浴びる中、ダークスーツに身を包んだベネッセホールディングス(HD)の原田会長は冒頭、ベネッセコーポレーションの小林仁社長と共に壇上で深々と頭を下げた。
日本マクドナルドホールディングスのトップから6月にベネッセHDに転じた原田会長。就任直後に同社のホームページで「顧客と一生涯の付き合いが続く世界唯一の会社になる」と抱負を語っていたが、この日の会見では終始表情を曇らせた。情報が持ち出されたと同社が推定している点に質問が集中したが、原田会長らは「グループ社員以外の人間」と答えるのみで、捜査への影響を理由に詳細は明らかにしなかった。