福島第1原発では、事故後3年以上たっても、デブリの位置や形状がまったく分かっておらず、廃炉の最大の障害となっている。
政府などが作成した廃炉工程表では、平成32年にデブリの取り出しを始め、早くて20年以上先となる平成47年ごろの完了を目標としている。しかしデブリを長期間そのまま置いておくことに、福島の住民からの反対意見が多く、廃炉工程の短縮化が求められている。(原子力取材班)
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■燃料デブリ 冷却機能を失った福島第1原発では燃料が溶融し、冷えて固まった。圧力容器を抜け、格納容器下部まで溶け落ちたとみられる。デブリの影響で、1号機の原子炉建屋内部では最大毎時5150ミリシーベルトを計測。数時間程度浴び続けると人が死ぬレベルになる。デブリは「破片」「残骸」の意味で、宇宙に漂う破片は「スペースデブリ」と呼ぶ。