【シリーズ エネルギー政策を問う】今やるべきことは電力需給の安定化 (1/6ページ)

2014.2.27 05:00

東嶋和子氏

東嶋和子氏【拡大】

 □科学ジャーナリスト・東嶋和子氏

 ■女川原発は“奇跡”ではない

 --福島第1原子力発電所の事故によって原発の安全性に対する不安が高まり、日本のエネルギー政策議論が混迷を続ける要因になっていますが、事故を起こした原発だけに目を向けて安全性を語ることに疑問を投げかけていますね

 「東日本大震災の影響を直接受けた原子力関連施設は、福島第1原発だけではありません。東北電力の女川原発(宮城県)と東通原発(青森県)、日本原燃の再処理施設(同)、東京電力の福島第2原発(福島県)、日本原子力発電の東海第2(茨城県)もそうです。福島第1原発の1~4号機は不幸にも事故にいたりましたが、同じ敷地内にある5、6号機、約10キロ離れた福島第2原発、さらにはより震源に近い女川原発など、ほかの施設ではすべて安全上の問題は発生しませんでした。すなわち、福島第1以外のすべての原発が、安全に原子炉内の温度が摂氏100度未満になる冷温停止状態になったという事実を知っていただきたいと思います。とくに女川原発は、福島第1とほぼ同じかそれを上回る地震の揺れと津波を受けながらも安全に停止し、しかも近隣の集落が壊滅状態になるなかで住民を発電所内に受け入れ、避難所として機能しました。1000年に1度といわれる大震災にあっても安全に停止した要因を知ることが原発の安全性を論じるうえでも非常に大事だと思い、私は福島第1、女川をはじめ被災した原発を取材し、“失敗と成功の境界線”を自分の目で確かめてきました。その結果、今強く思うことは、原子炉を安全に停止させることに失敗した要因と成功した要因の両方を知らないと、これからの原子力発電の安全性について発言できないし、その資格もないということです」

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