常識を覆す発見となった新型の万能細胞「STAP(スタップ)細胞」。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)と共同研究した山梨大の若山照彦教授(46)は「彼女の並外れた粘り強さが生んだ偉業だった」と振り返った。
若山さんは、体細胞の核移植でクローンマウスを世界で初めて作製した発生生物学の第一人者。平成22年7月、研究に行き詰まっていた小保方さんの依頼を受け、マウスの細胞を刺激して作ったSTAP細胞が、あらゆる細胞に分化できる万能性を持つかを確かめる研究を共同で始めた。
動物細胞を外部から刺激して万能細胞を作るのは不可能とされていた。「実験は失敗の連続で、私も無理だと思っていた。でも、若い小保方さんには失敗の経験も大切と思って実験に付き合った」