アマゾンジャパン「ハンドスピナー」出品に安全基準 粗悪品流通で海外では事故報告

 
ハンドスピナー(門井聡撮影)

 指で挟んで回転させる人気の玩具「ハンドスピナー」について、インターネット通販大手、アマゾンジャパンが、業界団体が定めた安全基準を満たした製品を販売するようメーカーなど出品者に求めていることが7日、分かった。粗悪品の流通で海外では事故が報告されており、安全性を確保する狙い。一般社団法人、日本玩具協会(東京)の玩具安全基準(ST基準)に適合した商品などを出品対象にしたい考えだ。

 ハンドスピナーは昨年末に米国の経済誌などで「オフィスで使える玩具」として紹介され有名になり、国内外で爆発的なヒット商品となっている。玩具メーカーのほか機械部品メーカーといった異業種も参入し、ハンドスピナーの普及活動を行う団体「日本ハンドスピナークラブ」(東京)によると、輸入品を含めて少なくとも数十万個が国内で流通している。最近では、祭りの縁日のくじ引きの景品としても屋台に並び、子供の人気を呼んでいる。

 ただ、販売量の増加に伴って安全性の課題が指摘されており、海外では、回転するハンドスピナーが目に当たって角膜を損傷したり、子供が部品を飲みこんだりする事故が報告されている。業界関係者によると、国内の通販サイトでも安全性が不確かな商品が出品されていた。

 日本玩具協会では7月下旬、ハンドスピナーのST基準を厳格化。「形状が鋭利ではない」「回転中に付属部品が外れない」などの項目を追加した。メーカーでは今後、検査の適合を示す「STマーク」を商品に付ける動きが加速するとみられる。

 アマゾンジャパンは、ST基準のほか、同様の海外の安全基準を満たしたハンドスピナーについても出品を認める方向。安全性の確保を求める要請は、一部の販売業者大手には6月下旬に出されている。