スマホで毒ガス検知「東京五輪までに実用化したい」 電気の流れ変わる材料開発
サリンなどの毒ガスがあると電気の流れ方が変化する材料を開発し、その変化をスマートフォンで検知することに成功したと物質・材料研究機構(茨城県つくば市)と米マサチューセッツ工科大のチームが7日、発表した。同機構の石原伸輔主任研究員は「東京五輪・パラリンピックまでに実用化したい」と話す。
テロで毒ガスが散布された場合に検知するため公共施設や交通機関などに、この材料を組み込んだセンサーを設置することを想定している。チームは、電気をよく通すカーボンナノチューブを利用。表面に、毒ガスがあると反応してばらばらになる膜を塗った。この材料は通常は電気を通さないが、毒ガスがあると電気がよく通るようになる。
近距離で無線通信するタグという部品の回路に、この材料を組み込んでセンサーにする。毒ガスの有無で電気の流れ方が変わり、スマホを近づけると判定できる。今後、一酸化炭素や火山ガスなどを検知できるようにしたいという。
関連記事