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3・11後、農業デジタル化主導 NTT副社長、渋谷直樹氏「社会にどう役立つか」 (2/2ページ)

 --復旧と復興の街づくり。通信インフラの構築は切っても切り離せられない

 「電話局の地下にある通信設備は、100年以上の電話の歴史の中で動かしたことはなかった。高台移転でそれを初めて動かした。コツコツと地下で伝送路を延長させながら、1戸1戸に接続を確認しなければならない。これが電話の繊細なところ。その作業が10年かけてようやく終わりつつあるが、裏を返せば、本格復旧は今も続いている」

 --震災で人生観や経営哲学はどう変わったか

 「経営者として向いているかと悩む。利益を上げろと指示を出すが、それだけでいいのかと納得できないときもある。しかし今、地方創生とか他社との共創といった価値観が注目されている。社会が震災を経験した人の感覚に近づいているんじゃないかと思うことがある」

 --東北との縁はどう続いているか

 「当時、立派な社員がいっぱいいた。設備系の社員は『もっとできることはないか』と帰ってくれない。その家族も『家に帰ってきている場合じゃないでしょ』と、送り出す。東北の方は引っ込み思案でおとなしそうだが、熱いものを持っている。福島支店の入り口には『あの日を忘れない』と刻んだ石碑がある。当時ともに過ごした仲間たちと『福島を愛する会』を作っている。彼らも忘れないでいてくれる、そのつながりには感動がある」

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