私がモチベーションファクターを2つの志向、6つのファクターに分類しているのは、そのように分けると、日本のビジネスパーソンはだいたい均等に分布されるからだ。牽引志向は51%、調和志向は49%だ。
中国のビジネスパーソンのモチベーションファクターを調べて、おもしろいことが分かった。演習での成長性、能動性が高いことから、また、日頃接する中国の人々の言動から、牽引志向が極めて高いという仮説を持っていたが、外れた。牽引志向60%、調和志向40%なのだ。日本の企業でも、広告代理店A社は68%対32%、製薬会社B社研究部門は65%対35%なので中国の牽引志向が突出しているというわけではない。IT業界平均でみると、日本は64%対36%だが、中国では65%対35%なので大差はない。
さらに興味深いことに、6つのモチベーションファクターで見ると、中国と日本で、目標達成は25%対20%、地位権限は20%対14%と中国が高いのだが、それらだけでなく、公私調和までもが、19%対18%と中国が高いのだ。一方、自律裁量は、15%対17%、他者協調は15%対21%、安定保障は6%対9%で日本の方が高い。
中国における急速な経済成長とグローバル化を、目標達成と地位権限のモチベーションファクターの持ち主が支える中、儒教の教え、一人っ子政策が公私調和のモチベーションファクターを維持しているように思える。