責任の所在をめぐり、証券界と東証の間にはすきま風も吹いている。東証は9日の記者会見で「証券会社との連携不足だった」と体制不備を認めたものの、各社への損害賠償については否定。ある証券幹部は顧客が被った損失の補償を迫られれば「東証などとの訴訟もあり得る」と語り、双方の溝の深さを印象づけた。
大量の電子データはメリルリンチ日本証券を経由して誤送信されたとみられている。ただ、コンピューターで短時間に株式売買を繰り返す「超高速取引」の海外機関投資家が発信元となり、東証システムへの接続ミスを繰り返したことが要因と指摘する声もある。ITの進展を背景に取引の手法は多様化しており、システム対策の限界が浮き彫りとなっている。