東証システム障害から1週間 責任所在で溝、対策限界も (1/2ページ)

 日本取引所グループ(JPX)傘下の東京証券取引所で株式売買などのシステム障害が発生してから16日で1週間。東証は過去のシステム障害のたびに対策を強化してきたが、再びもろさを露呈した格好となった。信頼回復に向けて東証は全容解明を急ぐが、対応には時間がかかりそうだ。

東証アローズ=東京都中央区

東証アローズ=東京都中央区

 9日午前7時半すぎ、東証のシステム部門。異常を知らせる警告ランプが点灯し、監視中の担当者らに緊張が走った。「何が起きたのか」。注文には直接関係のない接続確認のための電子データが、通常の1000倍を超える量で送り付けられたことが後に判明した。

 この結果、証券会社からの注文を受け付ける4回線のうち1本で接続ができなくなった。東証は残る正常な3回線に切り替えるよう各社に通知。顧客や証券会社に損失を与えかねず、迅速に対応したつもりだった。

 午前9時の取引開始が目前に迫る中、焦ったのは証券会社だ。野村証券やSMBC日興証券といった大手をはじめ東証のシステムに接続する90社中40社弱は切り替えが間に合わず、注文の一時停止などに追い込まれた。

 東証と証券会社のシステムは、平時からリスクに備えて複数の回線に接続しておく取り決めがあるが、「短時間での切り替えは困難」(大手証券)との声もあり、機能しなかった。

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