医療とITの融合は中国で先行する。約1000人の医師を擁する医療企業「平安好医生」は外部の病院とも提携し、ウェブ上で1日37万件の診療をこなす。累計3億件の症例データを集め、AIが画像診断などを側面支援することにより、従来の病院では考えられない大量診療を可能にした。
医師不足などに対応
7月に東京都内で講演したオリバー・ワン会長は「医師不足や病院での長い待ち時間など、中国が抱える問題を解消できる」と述べ「全ての家族にかかりつけ医を付けたい」と目標を語った。
日本のオンライン診療アプリはcuronのほか、MRT(東京)の「ポケットドクター」、メドレー(同)の「クリニクス」がしのぎを削る。今後「アプリを基盤に健康データの活用に軸足が移っていく」(業界関係者)見通しで、中国と類似の医療サービスに発展する可能性がある。
野村総合研究所の横内瑛氏は、医療の質が上がることに期待を寄せつつ「データにない希少疾患が見落とされる懸念もある」と問題点を指摘した。