大塚家具の大塚久美子社長【拡大】
大塚家具が迷走を続けている。経営権を争い、大塚久美子社長が創業者である父、勝久氏を追放してから3年。旧経営の否定を出発点に再建策を模索したが、代わりとなる事業モデルを示せないまま袋小路に陥った。3年連続の赤字決算が避けられず、支援企業探しを急ぐが前途は険しい。
経費削減追いつかず
7月下旬の昼下がり。東京都江東区の有明本社ショールームは、平日のせいもあってか客の姿が見当たらず閑散としていた。日本最大級と銘打った売り場は6月に改装したばかり。発表時の記者会見で、久美子氏は「成功モデルから20年を経て、時代の変化に付いていけていない。変わらなければ」と意気込みを語っていた。
2015年に社長に復帰して以降、久美子氏も事態を座視していたわけではない。中古家具の販売、小型店の展開、地方百貨店へのテナント進出、アマゾンジャパンを通じたインターネット販売など、変わるための試みを繰り出してはきた。
だが売上高は16年12月期が前期比20.2%減、17年12月期も11.3%減と低迷。経費削減が追いつかず、18年12月期の最終損益も赤字予想に下方修正せざるを得なかった。
新宿店で購入経験がある40代の男性会社員は「確かに店員の質は段違いにいい。でも高い商品が多すぎる」と話した。