西日本豪雨 経営リスク想定3割 洪水への備え、企業の盲点に (2/3ページ)

豪雨で浸水し、商品が散乱したコンビニ=8日、愛媛県大洲市
豪雨で浸水し、商品が散乱したコンビニ=8日、愛媛県大洲市【拡大】

 BCPは自然災害やテロなどの危機に備え、従業員の安否確認や取引先との連絡手段、工場が被災した場合の代替施設確保といった手順を定めておくものだ。

 「東日本大震災でサプライチェーン(部品の調達・供給網)が寸断され、企業活動が機能不全に陥ったことへの反省」(メーカー関係者)から各企業で策定作業が進められてきた。

 政府はBCPを策定済みの大企業の割合を2020年までにほぼ100%、中堅企業で50%に引き上げる目標を掲げるが、内閣府がまとめた17年度の調査では大企業で64.0%、中堅企業で31.8%にとどまっている。

 企業が想定するリスク(複数回答)は、地震が92.0%と高い一方で、津波を除く洪水は30.5%と低く、火災・爆発の59.3%や感染症の49.3%を下回った。

 業種により対応差

 今回の豪雨対応では、業種によっても差が表れた。11年の東日本大震災とタイの洪水に苦しんだ自動車メーカーは、対策が進む業種の代表例だ。ホンダは「豪雨も想定し、部品の調達先を多様化するなどBCPを大幅に強化してきた」。ダイハツ工業も洪水時の避難指示や仕入れ先の状況把握をBCPに定め、大阪や京都などの工場で一時操業を止めたが「速やかに対応できた」と語る。

続きを読む