「新4K8K衛星放送」視聴に専用機器必要 超高画質TV、普及には時間 (2/2ページ)

東芝映像ソリューションが7月下旬に発売する4Kチューナー内蔵テレビ。液晶ではなく、「有機EL」と呼ばれるパネルを使い、薄型で黒が鮮やか=1日、東京都内のホテル
東芝映像ソリューションが7月下旬に発売する4Kチューナー内蔵テレビ。液晶ではなく、「有機EL」と呼ばれるパネルを使い、薄型で黒が鮮やか=1日、東京都内のホテル【拡大】

 しかし、これらのテレビで新放送を受信するには、今秋発売される専用チューナーが必要になる。ピクセラ社製の4K用で3万円程度。チューナー内蔵の4Kテレビも今月、50インチが18万円前後で売り出された。

 さらに、チューナーがあっても、「左旋」といわれる放送方式の一部チャンネルを見るには、アンテナや分配器などを交換しなければならない。共用アンテナのマンションでは、工事費がかさむ。工事内容によっては、費用の3分の2を総務省が補助する。

 ケーブルテレビと契約していて4K対応テレビがあれば、左旋のチャンネルも視聴できる可能性が高い。ただし、8Kを見られるのは、8K対応テレビと光回線がある世帯に限られる。

 このように、新放送を楽しむ環境を整えるのは、必ずしも簡単ではない。放送サービス高度化推進協会の調査では、4K対応テレビを持っていない人の半数以上が「欲しいとは思わない」と答えている。

 視聴者が少ないと、局は収入が上がらず、4Kの番組を作れない。番組が増えなければ、受信機が売れない-。鶏が先か卵が先かのジレンマだが、民放幹部は「やれることから、やるしかない」と話している。