納豆大手3社、相次ぎ値上げ 人件費など製造コスト高騰 (1/2ページ)

 納豆の国内シェア計6割を占める大手3社が、人件費など製造コストの高騰を理由に相次ぎ値上げに踏み切った。納豆は特売商品になりがちで、近年の店頭価格は下落傾向にあった。栄養豊富で安価な「庶民の味方」の価格を上げるか据え置くか、スーパーなど小売り各社は難しい判断を迫られることになりそうだ。

 納豆の国内シェア2位のミツカン(愛知県半田市)は4月、業界最大手のタカノフーズ(茨城県小美玉市)、3位のあづま食品(宇都宮市)に続き、主力の「金のつぶ」シリーズなど10商品を1~2割、値上げすると発表した。

 ミツカンによると、納豆の製造工程は機械化できない部分が多く、蒸した大豆をつぶさないように運ぶ作業などで人手が必要だ。数井康二郎広報部長は「工場で働くのは大変なのでなかなか人が集まらず、その分人件費が上がっている」と話す。

 原料の大豆の多くは輸入しているため価格の変動が大きい。賞味期限が短く物流費もかかり、企業努力では吸収できなくなったという。

 納豆の消費額は近年伸びている。全国納豆協同組合連合会(東京)によると、家庭用と業務用を合わせた2017年の消費額は2313億円で、過去最高となった。一方、総務省が発表した17年平均の納豆全国消費者物価指数は、前年比0.9%下落した。

続きを読む