【広報エキスパート】中外製薬 グローバルなリスク管理体制を (2/2ページ)


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 --中期経営計画「IBI 18」の最終年度となります

 IBIは「INNOVATION BEYOND IMAGINATION(創造で、想像を超える)」の頭文字、イノベーションを原動力とし、人々の想像を超えた革新的な製品やサービスの提供を通じて世界の医療に貢献したいという思いを表しています。今年は薬価改定の影響や主力製品の競争激化などのマイナス面がある一方、国内外での当社創製の新製品、主力製品の成長を見込んでいます。これにより、当初掲げていた「IBI 18」の定量目標は大きく上回る見込みです。当社では「すべての革新は患者さんのために」という事業哲学のもと、10年代後半の実現を目指す「トップ製薬企業像」を設けており、「IBI 18」の完遂はこの実現の必須条件と考えています。

 --広報体制は

 広報IR部のメンバーは総勢17人です。メディアリレーションズ、インベスターリレーションズ、広報&e-Comsグルーブで構成しています。海外では欧米、シンガポール、台湾に広報担当がおり、現地メディア対応や有事の危機管理対応を担当します。事業に及ぼすリスクについては、年1回、経営者を対象にメディアトレーニングも行っています。大切なのは初期対応です。現場で情報が止まれば、企業としての対応は後手に回ります。情報が即時に国境を越えて拡散する時代にあって、これは許されません。その意味でも、グローバルなリスク管理広報体制の強化を今後も徹底していきます。(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子)=随時掲載

【プロフィル】内田誠彦

 うちだ・まさひこ 1984年成蹊大経卒。商社勤務を経て86年中外製薬入社。国際業務部、ロンドン駐在、経営企画部、米国子会社出向などを経て、2004年広報IR部IRグループマネジャー。12年から現職。この間、フランス・インシアード経営大学院でMBA(経営学)取得。