仮想通貨市場が乱高下している。代表的な仮想通貨である「ビットコイン(BTC)」の価格は、昨年12月の1BTC=230万円台をピークに下落傾向が続いたが、再び90万円台を回復するなど値動きの荒い展開となっている。今後については、「50万~60万円台まで下がる」「参入業者が増えて価格が上昇する」など見方が分かれている。
2月にBTC価格は64万円台まで下がる場面もあったが、その後は回復し110万円前後で安定。3月に再び70万円台まで下落すると、今度は4月16日には再び90万円台をつけた。
下落したのは、仮想通貨交換業者コインチェック(東京)の巨額流出問題で、金融庁が交換業者への行政処分を強化していることが大きい。金融庁は、これまで「みなし業者」5社に対し、業務停止命令を出すなどしている。新興国を含め、世界的に規制が強化される見通しで、投資家が警戒感を強めている。このほか、米金利が上昇するとドルを買う動きが強まり、仮想通貨の価格は下がりやすい。「米国の利上げが順調に進めば、50万~60万円程度まで下がることも予想される」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの廉了氏)との見方がある。
一方で、上昇を予想する声もある。
インターネット証券大手のマネックスグループやヤフーといった大手企業の参入で、市場が再び活性化するとの期待が出ているからだ。世界的にも、インドネシアのフィンテック企業が公表した「ビットコインは(利息を禁止する)イスラム法で許容される」とのリポートが材料視され、12日にはBTC価格が30分で10万円以上も上昇した。大和総研の矢作大祐氏は「長い目でみれば、一部の仮想通貨の価格は上昇する」と分析している。