約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が交換業者コインチェック(東京)から流出した事件で、流出したほぼ全てのネムがビットコインなど他の仮想通貨に交換されたとみられることが22日、情報セキュリティーの専門家への取材で分かった。
匿名性の高いインターネット空間「ダーク(闇)ウェブ」上にネムを盗み出した人物が開設したとみられるネム交換サイトの画面は同日、従来のものから「Thank you!!!」との文字と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が札束の山の前で笑うコラージュ写真に切り替わった。
ネム取引の推移を監視してきた情報セキュリティー会社「エルプラス」の杉浦隆幸代表によると、ネムの普及を図る国際団体「ネム財団」が流出したネムの追跡を停止することを20日に発表して以降、他の仮想通貨への交換ペースは加速していたという。
杉浦氏は、ほぼ全てのネムが別の仮想通貨に交換された影響について「犯罪者側にこうしたやり方で資金洗浄が可能だという前例を示してしまった。今後、同様の被害を防ぐには、交換業者の身元確認強化など追加の対策が不可欠だ」と話した。