お茶の水(東京都千代田区)に本店を持つ「龍名館」(ホテル龍名館お茶の水本店)は来年で創業120周年となる老舗旅館だ。近年、和と洋を融合させたホテル展開を進めており、国内だけでなく海外からの観光客にも人気を集めている。今冬には「お茶」をテーマにした新しいホテルが開業する予定だ。
ミシュランに掲載
龍名館は明治32(1899)年、日本橋室町(中央区)の名倉屋旅館の長男、浜田卯平衛が開業した。その後、呉服橋支店(現ホテル龍名館東京)、猿楽町分店を出すほど発展した。だが、関東大震災で3店すべて焼失。再建されたものの、今度は空襲で呉服橋支店が焼失した。
戦後、呉服橋支店を再建しホテル八重洲龍名館とし、昭和51年にはお茶の水本店をビルに建て替え、和室中心の「ビル旅館」として営業を続けた。
転機となったのは、平成21年、八重洲龍名館の建て替えだ。これまでの和室中心から、西洋と東洋の融合をテーマにした洋室中心のホテルに改修したところ、ミシュランガイドに掲載されるなど評価が高まった。
9割が外国人客
専務の浜田裕章氏(35)は、本店のリニューアルにあたり12室(他に会議室3室)の小規模旅館だったので「小さいながらもこだわりを持った、旅情感のある宿にしたいと思った」という。