昇給率で3%を超えたのは、こうした政府の期待に応える意味もあったとみられる。非公表などによりベアの牽引役からは“降りる”格好となるが、回答には「定年前と処遇が変わらない再雇用者を増やし、老後の不安を払拭して個人消費を活性化する」(上田氏)意味もあるという。ただ、ベア非公表には「共闘という観点で問題があった」(自動車総連の高倉明会長)と反発も出ている。
労使交渉の決着が、回答日前日まで長引いた主因は、車両の電動化などが急速に進む業界の大転換期への経営側の危機感だ。
協議では豊田章男氏が「皆さんから『(仕事を)やった、やった』という声を聞くたびに、『一緒に闘ってくれないのか』と寂しい気持ちになった」と話すと、会場が静まり返る場面もあったという。(高橋寛次)
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■トヨタ自動車のベア要求・妥結額
要求額/妥結額
2013年 見送り/ -
14 4000/2700
15 6000/4000
16 3000/1500
17 3000/1300
18 3000/1300超
※単位は円で月額。17年はベアとは別に、子供がいる家族への手当を1100円増額