関西電力を中心とする関西の企業連合が、東京都港区の大型オフィスビル「芝パークビル」を取得することが19日、分かった。地盤の関西だけでなく東京都心にも物件を保有することで投資先を分散させ、安定した収益を得る狙い。1500億円規模の大型取引となる見通しで、3月末までの取得を目指す。
芝パークビルは地上14階、地下1階建てで東京タワーやJR浜松町駅、都営地下鉄大門駅の近くにある。1フロアの床面積が約6千平方メートルと大きく、横に長い外観から「軍艦ビル」と呼ばれており、かつてダイエーが本社機能を置いていたことでも知られる。
関電子会社の関電不動産開発(大阪市)が中心となり、香港の投資会社「アジア・パシフィック・ランド」などの投資家グループから取得する。関西の私鉄大手や不動産関連企業が複数加わる見通し。ビルは昭和57年の完成で築30年以上経過しており、将来的な建て替えや再開発を想定している。
歴史的な低金利による運用難や資金調達コストの低下を背景に、物件価格の上昇が期待できる首都圏を中心に、不動産取引が活発になっている。