東京23区内で唯一の酒蔵が廃業へ 140年の歴史に幕 増収でも生き残れぬ業界の苦境 (4/4ページ)

◆休廃業・解散の高止まり続く

 100年以上の業歴を持つ老舗企業は全国で約3万5000社。このうち、業種別では清酒製造業が最も多く、約900社を占める。小山酒造もその1社だ。

 一方、2017年の休廃業・解散企業は2万8142社だった。沈静化が続く倒産件数(2017年8405件)に反して、その数は約3.5倍にのぼり、高止まりが続く。

 将来の展望が描けないなど、休廃業・解散の理由は様々だ。だが、全国で人手不足感が広がるなか、徒弟制の性格が色濃く、技術承継に多くの時間を要する伝統産業の現場では「人手不足」がより深刻だ。

 伝統産業は長年の手法と機械化の選択を迫られると同時に、生き残りにも直面している。

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