□社会保障経済研究所代表・石川和男
原発ゴミとは、原子力発電に伴い発生する「高レベル放射性廃棄物」。放射能が高く危険な廃液なので、高温のガラスと溶かし合わせてステンレス製の容器に封じ込める。これが「ガラス固化体」だ。最終処分とは、ガラス固化体を地下深くの安定した岩盤に埋設し、人の手に頼らずそのまま隔離し続けることで、「地層処分」と呼ばれる。世界各国、この方法を採用する。
都内全市町村が該当
7月下旬、経済産業省は、地層処分の候補地としての適地を示すために日本地図を色分けした「科学的特性マップ」を公開。候補地は(1)好ましくない特性があると推定される地域(地下深部の長期安定性等の観点)(2)好ましくない特性があると推定される地域(将来の掘削可能性の観点)(3)好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域(4)輸送面でも好ましい地域-の4つに分類した。
(1)と(2)は候補地になりにくいが、(3)か(4)は候補地になりやすい。
東京都はなんと、ほぼ全ての市町村(26市、3町、3村)が(4)か(3)に該当し、23区の多くも(4)に該当する。
(4)に該当する地域は江戸川区(臨海地域)、江東区(臨海地域)、中央区(臨海地域)、品川区(臨海地域)、大田区(臨海地域)、港区(臨海地域)、世田谷区(西部)、渋谷区(西部)、新宿区(西部)、豊島区(西部)、板橋区(西部)、目黒区(西部)、北区(西部)、練馬区(東部)、武蔵野市(東部)、三鷹市(東部)、調布市(東部)、町田市(東部)、稲城市(東部)、西東京市(東部)、中野区(全域)、杉並区(全域)、狛江市(全域)、神津島村、小笠原村。(3)に該当する地域は府中市、小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、立川市、国立市、日野市、八王子市、多摩市、羽村市など上記の地域より西にある全ての市町村の地域だ。