廃炉作業が進む東京電力福島第1原発。事故発生当初は高い放射線量や大量の堆積物など過酷な環境での作業だったが、東電福島復興本社は、除染作業の進展や温かい食事の提供などで労働環境を改善し、作業員のモチベーション向上に努めている。
6月7日、第1原発の現場は活気があり、作業員の表情は明るかった-。
作業員は、簡易マスクと青色の一般作業服を身に着けており、大型休憩所の通路ですれ違うと、「お疲れさまです」と声を掛け合い、食堂や休憩スペースではくつろいで談笑していた。
水素爆発が起きた1号機の原子炉建屋上部には、がれきが複雑に積み重なっていた。使用済み燃料を取り出すにはがれきを取り除く必要があり、クレーンを遠隔操作しながら慎重に除去作業を進めていた。
この周辺を除くと、除草してモルタルを吹き付けるフェージングと呼ばれる舗装や構内除染などで放射線量が低減したため2016年3月から装備を軽装化。全面マスクと防護服の着用という厳しい作業環境から解放され、身体への負荷が大幅に軽減した。