CEATEC JAPAN 2017では、埼玉大学も電気刺激による身体感触覚通信制御の展示を行っていた。背中合わせに座った2人のうち、操作者の1人が腕を曲げると、もう1人の非操作者の腕が同じように曲がる。筋肉の動きを信号に変えて伝え、もうひとりの腕に貼られたパッドから電気を流して筋肉を刺激し、収縮させて操作者と同じ動きを再現している。
非操作者が腕の動きを止めようとすると、今度は操作者の方に抵抗感が戻され動きが止まる。離れた場所にいる人やロボットの腕を操作し、その触覚を自分自身でも感じながら作業を遂行することが可能になる。こうした遠隔地や仮想空間で視覚や聴覚に加えて触覚を発生させる技術は、VRやロボットの使用範囲を大きく広げそうだ。
VRコンテンツに匂いを加える動きも出てきた。匂いを発生させるデバイスのVAQSO VRを開発・展開しているVAQSO Inc.が、9月21日から24日まで幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2017に出展し、匂いが楽しめる9種類のVRタイトルを並べて体験してもらっていた。
VAQSO VRはVRヘッドマウントディスプレーにセットし、コンテンツの進行に合わせてシーンにマッチする匂いを漂わせる薄い箱形のデバイス。ゲームブランドのイリュージョンが展開していた「VRサクラ」の場合は、仮想の室内空間に現れる3DCGで描画された美少女の前でスイカを割ると、スイカの匂いが漂ってくる。