7月下旬に都内で行われた発表会ではCMを使い、報道陣にその機能が紹介された。被験者は脳波を検出するヘッドギアと一体になった専用ゴーグルと脈拍を測るリストバンドを装着。ヘッドギアで周囲の音を遮断し、画面の音と映像に意識を集中させる仕組みになっている。
教室の黒板の前にたたずむ転校生がふりかえると…。実はゾンビだった転校生の襲撃にクラスメートが叫びながら逃げ惑う。最後には「ストップ!ゾンビ醤油」の文字。「新鮮な食材には新鮮な醤油を」というナレーションが流れて、約2分の映像が終わった。
長く捨てられず使われ続けている醤油を「ゾンビ醤油」とし、それによって料理が台無しになってしまう様子を表現したという。
この映像を被験者に見せて、商品のロゴを見ているのか、出演女優の顔を見ているのかなど視線の動きを追跡。脳波や心拍数などと組み合わせ「リラックス度」「集中度」などを数値化する。
同社の体験設計部プロデューサーの平岡淳也氏は「このサービスを利用することで例えば消費者に好まれる商品のデザインや色などを調査することもできます。実際に試作品を作らなくても映像で商品の色やデザインなどをすぐに変えることもでき、コスト削減になります」と話している。(産経新聞WEB編集チーム 高原大観)
■VR バーチャルリアリティーの略で、仮想現実などと訳される。目の前に実際には存在しないものをコンピューターが作り出した臨場感ある映像を駆使して視るものの五感に訴えかける。