経営再建中の東芝を除く電機大手7社の2017年4~6月期連結決算が1日、出そろった。最終利益は日立製作所やソニーなど4社が増益で、富士通、NEC、シャープの3社は黒字転換した。中国などアジア向けを中心に旺盛な設備投資需要を牽引(けんいん)役に、7社そろって好調な滑り出しとなった。
この日決算を発表したソニーは営業利益が前年同期比2.8倍の1576億円と、4~6月期として10年ぶりに過去最高益を更新した。最終利益は3.8倍の808億円。スマートフォンなどのカメラに使う画像センサーなど半導体事業が世界的な需要拡大を背景に好調だった。
中期計画で目標とする18年3月期の営業利益5000億円の達成に大きく前進した。
ただ、吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は「4~6月期には一時的な要因(子会社の持ち分譲渡益の計上など)が多く含まれており、緊張感をもって業績を積み上げていきたい」と、気を引き締めた。
アジア向けを中心とした設備投資関連の受注が好調だったのが日立製作所と三菱電機だ。日立は中国向けの建設機械の販売が増加、三菱電機は工場を自動化する設備(FAシステム)の受注が中国や韓国向けに高水準で推移した。
パナソニックは電気自動車(EV)向け電池が大きく伸びたほか、エアコンや冷蔵庫など家電製品の販売もアジアと日本で拡大。シャープは中国で液晶テレビの販売が伸びたほか、スマホ向けの中小型液晶パネルも堅調で黒字転換の原動力になった。コスト削減などで親会社の台湾企業、鴻海(ホンハイ)精密工業との協業も奏功した。