そこでは二十数人の視覚障害のある人たちが、さまざまな仕事に取り組んでいたが、私たちをくぎ付けにしたのは、83歳の女性の仕事ぶりだった。
あの小さな針の穴に糸を通し、そして玉を作り、布ぞうりを縫い始めたのだ。親指のあちこちに血がにじんでいたが「お金を払ってもいいから、ここで働き続けたい…」とニコニコ顔で私たちに語ってくれたとき、筆者らは目頭を熱くした。
聞くと73歳で視力を失い、自宅に閉じ籠もり、独り暮らしをしていたが、斯波理事長たちの懸命なリハビリ訓練で、再び勇気と希望を取り戻し、1日3時間働いているという。
その日はそこで生産されている商品を可能な限り買って帰るしか、できることはなかった。
ともあれ、こうした頑張る法人の存在を見せつけられると、問題は外などと嘆き悲しむ中小企業に一段の奮起を求めたい。
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【会社概要】アタックスグループ
顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。