かつて東京下町の貯木場は文字通り「木場」にあったが、埋め立てにより内陸化が進んだことから、美濃部都政下で大規模な換地事業を実施。木場の跡地は東京都立木場公園となり、本来の貯木場はそっくり埋め立て地である「新木場」へと移動した。羽田にある東京国際空港に対して、千葉県成田市に建設した新しい空港を大胆にも「新東京国際空港」と名付けた柔軟性からも学びたいところだ。
現在の中央区築地は1~7丁目まであるわけだが、豊洲市場を建設した場所を江東区築地8丁目としてはどうだろうか。
小池都知事に提案をしたい。「豊洲移転、築地にも市場機能」から「豊洲移転、築地市場の名前も移転」への転換を行い、東京五輪に向けていったん更地とする築地市場跡地は、まったく別の用途での活用を議論すべきではないか。
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【プロフィル】山田俊浩
やまだ・としひろ 早大政経卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。「週刊東洋経済」の編集者、IT・ネット関連の記者を経て2013年10月からニュース編集長。14年7月から東洋経済オンライン編集長。著書に「孫正義の将来」(東洋経済新報社)。