【高論卓説】AMED発足2年、医療の情報共有進む 未知の病気10以上発見 広がる治療の道 (3/3ページ)

2017.6.5 06:20

 第3に、ITを活用し、垣根を越えた連携で、埋もれた情報を「先制医療」や難病治療につなげてほしいこと。

 成果を出しつつあるのが、希少・未診断疾患の包括的診断体制(IRUD)だ。全国220の病院で情報を共有し、診断の難しい患者の遺伝子解析をする。ある病気では、カルテに書かれた複数の所見が日米の患者で一致し、遺伝子解析の結果、代謝経路の変異に共通点があると分かった。情報共有により初めて見つかった病気は、10以上に上るという。こうした連携を広げることで、診断、治療への道が開けるはずだ。

 省庁連携はもちろん、情報をつなぎ、人をつなぐ。AMEDには車輪の軸の役割を大いに期待したい。

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【プロフィル】東嶋和子

 とうじま・わこ 科学ジャーナリスト。筑波大・青山学院大非常勤講師。筑波大卒。米国カンザス大留学。読売新聞記者を経て独立。著書に「人体再生に挑む」(講談社)、「水も過ぎれば毒になる 新・養生訓」(文藝春秋)など。

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