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□金子隆社長
■企画から製造まで自分たちで
--少子化が進んでいる
「人口減少で学校も少なくなるので、事業は拡大しない。大量生産は行わず、顧客が求める分だけ供給していく。国内生産にこだわり、職人の気持ちで仕事をしたいと思っている。海外は韓国や中国、タイに進出しているが、大量生産しなければ、利益が上がらないので、撤退も検討している」
--カネマスの強みは
「職人かたぎの会社で求められているものをきっちりつくるという点だ。創業から60年以上たったが、この間に体操着やジャージーのノウハウを蓄積してきた。設備もお金をかけ、企画から製造まで、すべて自分たちで行っているのも強みだ」
--ももクロの2本線ジャージーで認知度が高まった
「当社が製造した本物のジャージーでないと満足しないファンが多く、直接注文が来るようになった。ライブがある度に、かなりの数が売れた。通常のジャージーはスタジオ撮影でライトを照らされると、中が透けて見えてしまうが、当社のは光を通さないので採用してくれた。良い宣伝になり、ここ数年で芸能関係の注文が増えている」
--開発にも熱心に取り組んでいる
「34歳のときに営業を離れ、ものづくりを始めた。生地に使う素材や編み方などを機屋や染色工場の方に教えてもらい、商品開発に取り組んできた。失敗も多く経験し、1000万円の損失を出したこともあった」
--これからカネマスをどういう会社にしたいか
「匠で商売をする会社がいくつかあるが、当社は他社が3日かかる仕事を1日でできる会社にしたい。この業界では海外生産や外注の活用でコストを落とす会社が多いが、当社はすべて自分たちで行い、スピード対応で顧客から頼られる会社を目指している」