【酒豪女子が行く】(4)売ってはいけないレベル… 地ビールブーム崩壊の裏側 どん底まで落ちた社長を救った人物 (4/4ページ)

商品の「顔」となるラベル 産経らしく(?)高級感あるデザインに

 さて、再び現在に話を戻そう。ようやく仕込みが完了したコラボビール造り。あとは発酵と熟成を待てば、一カ月後にはガツンと苦味のある辛口ビールが出来上がる。だが、その前に商品の「顔」となるラベルデザインも考えなければならない。「酒豪女子」こと筆者に息をつく暇はない!

 ラベルデザインを担当するのは松岡嘉広社長室長(47歳)だ。伊勢角屋麦酒では年間十数種類の新しいビールをボトル販売するため、ラベルデザインをプロに頼んでいられず、松岡さんが通常業務の傍ら作成している。アメリカンスタイルのビールを得意としているため、そのイメージを表現した派手でワイルドなラベルの商品が多い。

ラベルデザインを担当する松岡嘉広さん

ラベルデザインを担当する松岡嘉広さん

 だが、今回のコラボビールでは少し趣向を変えてみる。産経らしく(?)、さらには品の良い産経読者にも満足してもらえるよう、上質で高級感のある「大人のビール」を演出したいのだ。また、現在のクラフトビールを牽引しているのは20-30代の若者世代。今回はクラフトビールを敬遠しがちなミドル世代以上でも手に取りやすいデザインにすることで、若者以外の新たなファンを作れたらいいのだが…。あれこれたくさんの要望を伝えるも、松岡さんは「分かりました」と一言。なんと頼りになるのだろう。

 次回更新はいよいよ大詰め!はたしてビールは美味しくできているのだろうか!?

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 この連載では、盛況のクラフトビール業界で注目を集める伊勢角屋麦酒の秘密に迫る。自称“酒豪女子”の記者が実際にビール造りに挑戦。3カ月かけて商品企画から販売まで取り組んだ。(SankeiBiz 久住梨子)

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