ポリゴン・ピクチュアズ取締役の守屋秀樹さん(左)とNetflixのジュリアン・ライハンさん【拡大】
この映画で音響監督を務めたのが岩浪氏。「ガールズ&パンツァー劇場版」など多数の作品を手掛けているが、最近は音響面にこだわった上映形態を模索している。「ガルパン」でもセンシャラウンドと呼ばれる立体的で重低音が鳴り響く、臨場感たっぷりの音響を作って劇場で公開し、大ヒットにつなげた。今回の「BLAME!」でも、ドルビーアトモスを始め様々なタイプの音響を、劇場の設備に合わせて作り込み展開している。
「『ゼロ・グラビティ』を見て衝撃を受けました。ヤバい、これで日本の映画音響は大きく後れを取った、追いつかなくてはいけないと思いました」というのが、岩浪氏が「BLAME!」で日本のアニメでは初めてドルビーアトモスを採用した理由。音響効果を担当した小山恭正氏は、「後から前、前から後といった音がきれいに出ています」と、空間の中で自在に音を移動させられるドルビーアトモスの機能が生かされた映画になっている点を強調した。
「劇場でしか体験できない音というのが、音響チームが映画を作るときのファーストプライオリティです」と岩浪氏。ドルビーアトモスに加え、横幅が18メートルあるULTIRAのスクリーンで見られるイオンシネマ幕張新都心など、劇場ならではの体験を与えることで観客に足を運んでもらおうとしている。