世界の自動車市場に地殻変動が起きている。米国などでガソリン安を契機にスポーツ用多目的車(SUV)の人気が高まる一方、長らく市場の主流を占めてきたセダンの凋落(ちょうらく)が鮮明になっている。トヨタ自動車の「レクサス」など高級車ブランドは派生モデルでてこ入れを図るが、反転攻勢の兆しは見えない。
米新車市場で明暗
「世界的にSUVが広がる流れはまだまだ続くと思う。簡単に言うとフォーマル(なセダン)からカジュアル(なSUV)の流れだ」。SUBARU(スバル)の吉永泰之社長は4月6日、小型SUV「XV」の新型車発表会でこう語った。
新型XVは、昨年発売した小型車「インプレッサ」と同様に衝突への安全性を高めた新型プラットフォーム(車台)を採用。SUV仕様として車体底部の高さをインプレッサよりも上げ、四輪駆動を最適に制御するシステムも使うことで荒れた道などでも安定して走行できる。
国内の月販目標は2200台と、セダンもあるインプレッサの2500台に迫る。スバルはSUVを中心に販売を伸ばしており、「こういうジャンルに強く反応する層に訴求する」(吉永社長)戦略でブランド力と規模拡大の両立を狙う。