「以前の証明写真機では、写真をプリントする機能がメインでしたが、現在は写真データを安全に他のデバイスに移して活用する機能も必須です」
大賀さんによると、就職活動でのエントリーシートは紙での提出ではなく、データ送信が一般的となった。そのためDNPでは撮影した写真データをその場で、無料の専用アプリの入ったスマートフォンに保存できる仕組みを証明写真機「Ki-Re-i」に盛り込んだ。スマホに保存したデータは、後日「Ki-Re-i」に転送すれば何回もプリントができる。
◆社員証発行にも
さらに「Ki-Re-i」は、写真入り身分証明書になるマイナンバーカードの交付申請でも威力を発揮している。郵送で届いたマイナンバー制度の個人番号カード交付申請書上のQRコードを「Ki-Re-i」の所定のスキャナーにかざし、ガイダンスに沿って操作・撮影するだけでカード発行の申請手続きが完了する。
撮影した写真や本人のデータは暗号化され、マイナンバーの発行組織である地方公共団体情報システム機構に転送される。後日、各市区町村から交付通知が届き、指定された場所に本人が受け取りに行くという仕組みだ。
このほか、企業の社員証発行でも、同様のサービスを提供している。DNPと契約した企業の社員が、最寄りの「Ki-Re-i」で撮影すると写真や本人データが当該企業に送信される。企業はそのデータをもとにDNPにカード製造・発行を依頼するというもの。
「DNPではICカード製造も行っているため、さまざまなサービス提供ができます」と大賀さんは、同社の総合力を強調した。