ヤマト運輸が宅配サービスを抜本的に見直し、正午から午後2時の時間帯指定の配達を取りやめる方向で検討に入ったことが1日までに、分かった。現在午後9時までの夜の配達時間を早めに切り上げることも検討する。インターネット通販の普及で宅配個数が急増し、ドライバーを中心に人手不足で長時間労働が慢性化しているため。今後、労使協議で詰め、早ければ2017年度の実施を目指す。
ヤマト運輸は宅配便で5割近い占有率を持つ最大手で、サービスの見直しは他社にも影響を与えそうだ。
現在の時間帯指定サービスでは、午前8時から午後9時までの複数の時間帯で荷物を引き受けている。このうち比較的利用が少ない正午から午後2時の指定をやめ、ドライバーが昼の休息を取れるように促す。集配業務を早く終わらせるため夜の配達時間帯の見直しも検討する。
ライバルとの値下げ競争が激しいネット通販などの大口顧客に対し、宅配便の荷受量や料金の値上げなどについての交渉も始めたい考えだ。
労働組合が春闘の交渉で、宅配便の荷受量の抑制や、終業から次の始業までに一定の休息を入れる制度導入などを求めていることに対応する。
ヤマト運輸は15年度の宅配便取り扱い個数が約17億3000万個と過去最高で、16年度はこれを上回るペースで増加している。ネット通販大手アマゾンを大口顧客に持つ。