相模原市の橋本駅そばには、ヨーカ堂が事業再建のモデルと位置付ける大型施設のアリオ橋本がある。昨年11月の改装で自前の紳士服売り場などを縮小、テナントの配置も既存店同士の相乗効果が出るよう見直した。周辺に競合施設が多く、人気店を寄せ集めるだけでは集客力が長続きしないと考えたからだ。
点在していた旅行や保険、携帯電話店などをまとめ、同じ区画にセブン&アイグループの新業態の喫茶店を出した。待ち時間を退屈せずに過ごせるし、コーヒーを片手に相談もできるという。
ベビー用品店などがある区画は、天井や壁全体にアート作品を描き、思わず子供の写真を撮って会員制交流サイト(SNS)に投稿したくなる仕掛けもつくった。フードコートは靴を脱いでくつろげる席も設け、平日の昼も若い家族でにぎわう。
改装で客数と売上高は14%増えた。渡辺雅人所長は「どれだけ日常生活の一部になれるかが重要だ」と、地域密着の運営で上積みを目指す。