収入が伸びない現代、消費者はふだん使いで外食店を利用する時に「千円札を大切に使う」意識も高い。取材先の外食チェーン店に確認しても、その傾向は強まっていると話す。小腹を満たしても千円でお釣りがくるドトールは、「自腹で楽しむからには外したくない」消費者心理にもマッチしているのだ。
注目したいのは、最近の消費者は総じてカッコつけなくなったこと。たとえば休日の服装なら、動きやすいファストファッションを愛用する人も目立つ。外食店でもきちんとした服装でフランス料理のフルコースを選ぶ人は少数派だ。イタリア料理であれば、メインディッシュをパスタやピザで締めたりする。そうした心理がカフェ選びにも反映されている。
▼満足度その3「女性の支持」
また、ドトールはモーニングサービスの「朝カフェ・セット」に野菜たっぷりのメニューを取り入れるなど、女性を意識したメニュー開発にも意欲的だ。健康を気づかうメニューは女性受けしやすい。こうした手法も実を結び、以前に比べて肌感覚でも女性客が増えた。
もともと男女を問わず、喫煙者の間ではドトール支持者が多かった。スタバは早くから全席禁煙に移行しており、「喫煙者にやさしい=ドトール、厳しい=スタバ」という構図になっていたからだ。逆に言えば、喫煙者以外の女性客はドトールを敬遠する傾向にあったが、店の分煙設備も整い、マイナスイメージが減ったのも満足度向上につながったと思う。