旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は、ロボット技術の開発と企業向けのコンサルティングを手掛けるベンチャー企業「hapi-robo st(ハピロボ)」を設立した。沢田秀雄HIS会長は「世界に夢と幸せを与えられるようなロボットカンパニーにしたい」と語った。
新会社の社長には、HISのCIO(最高情報責任者)、同社グループで滞在型テーマパーク「ハウステンボス」の取締役CTO(最高技術責任者)を務める富田直美氏が就任。本社は東京都港区に置いた。資本金は6400万円で、HISが筆頭株主。将来的には増資も検討する。
ハピロボは、他のロボット開発会社に開発支援や技術提供を行うほか、ハウステンボスを実証実験の場として提供する。ハピロボ自身でロボットの開発も手掛けるが、製造は外部に委託する方針だ。富田社長は「すでに2桁の数の企業からオファーを頂いている」と述べ、年内にも10社とのコンサルタント契約締結を目指す。
ハピロボが開発を進めるロボットは、旅行会社の店頭カウンターの受け付け業務を行う。年内をめどに首都圏のHIS店舗に配置し、使い勝手の検証などを目的とした実証実験を行う。ロボットの投入で、労働環境の改善を図る狙いもありそうだ。