東芝が米国の原発事業関連で計上する損失額が5千億円を超え、精査次第では7千億円規模まで膨らむ可能性があることが19日、分かった。債務超過が現実味を増してきたため、資本増強に向けて東芝は日本政策投資銀行に金融支援を要請した。同日、主力取引銀行にも損失概要を説明し、資本増強策への協力を求める。
東芝は昨年12月、米原発事業のグループ会社が最大で数千億円規模の損失を計上する可能性を発表。金融機関には損失が最大5千億円になるとの見通しを示していたが、関係者によると、最大7千億円規模になる可能性もあるという。
今3月期の連結決算にどのくらいの損失を計上するかは監査法人と協議中。ただ、最終損益が現行予想の1450億円の黒字から赤字に転落する公算が大きく、今回の損失によって、全ての資産を売っても借金を返せない債務超過に陥る懸念がある。
東芝は主力の半導体事業を分社化し、新会社の株式の一部を提携先に売却することを検討。これとは別の資産や事業の売却も検討しており、身を切るリストラ策を示した上で金融機関からの支援を取り付けたい考えだ。支援は優先株引き受けのほか、一部を資本として認められる劣後ローンなどが検討されている。