米アップルが自動車開発に本腰を入れる。自動運転を研究していることを初めて公表。極秘プロジェクトが再起動したとの観測も飛び交い、発表は数年後との気の早い情報も。開発は自動車の一部にとどまるとの見方もあるが、なおも秘密のベールに包まれたまま。アップルが創業者スティーブ・ジョブズ氏の「最後の夢」に向けて走り出す。
市場がざわめき立ったのは、昨年の暮れのこと。アップルが米道路交通安全局(NHTSA)に提出した書簡で、自動運転技術に積極的に投資を行っていることを明らかにしたのだ。
アップルが自動運転の技術開発を手がけていると公に認めたのは、これが初めて。書簡によると、アップルはさままざな分野における自動化に「心を躍らせて」おり、AI(人工知能)による機械学習や交通を含めた自動化システムの研究に多くを投資していると表明。交通事故の削減など「自動運転車がもたらす多大な社会的利益の実現」に向け、政府と連携したいとまで言及している。
アップルが電気自動車(EV)開発に本格参入するのでは…。自動車・IT業界を噂がかけめぐったのは2015年2月のこと。EV用電池の特許申請や技術者採用を拡大しているという観測だった。
その観測を裏付けるように、米メディアは、アップルが極秘にプロジェクトを立ち上げたと報じた。コードネームは「Titan(タイタン)」で、目指すは自動運転によるEVだ。責任者には、iPadやiMacなどのヒット商品を手がけた元役員のボブ・マンスフィールド氏が指名され、一時は1千人以上の技術者が携わったとささやかれた。