自動でなく手動で停止
こうした状況を踏まえ、同会合は、各国の原子力規制担当者が毎年1回集まり情報交換を行っているもので、規制委の前身である経済産業省原子力安全・保安院時代の平成20年から毎年行われている。
規制委の定例会で清水長官から報告を受けた石渡明委員が「韓国では地震があって原子炉を手動停止したと聞いているが、そのことは話題になったか」と質問すると、韓国や中国の規制の一端が明らかにされた。
清水長官の説明などによると、韓国では9月12日夜に南東部でマグニチュード(M)5・1と5・8の地震が相次いで発生。その際、震源に近いウォルソン原発で約200ガル(ガルは揺れの強さを示す加速度の単位)を観測し、手動停止させたのだという。
それを聞いた石渡委員は「韓国は200ガルくらいで、自動停止せず手動停止した。日本だとどの原発も自動で止まる。分かりましたそういう状況なんですね」と、半ばあきれた様子でそう語った。日本では一定の揺れを感知すれば、原子炉が自動停止する設計になっており、人が止めなければならないという状況は、日本では考えられない設計だからだ。