三菱自新体制 “未知”に挑むゴーン流改革 日産とは異質のケース、改めて問われる手腕 (1/3ページ)

三菱自動車の株主総会で挨拶するカルロス・ゴーン氏(右)ら新取締役。プレスルームのモニターから=14日、千葉市美浜区(荻窪佳撮影)
三菱自動車の株主総会で挨拶するカルロス・ゴーン氏(右)ら新取締役。プレスルームのモニターから=14日、千葉市美浜区(荻窪佳撮影)【拡大】

 燃費データ不正問題に揺れた三菱自動車は14日、千葉市で臨時株主総会を開き、資本・業務提携する日産自動車のカルロス・ゴーン社長ら11人の取締役の選任議案が可決された。三菱自は総会後の取締役会で、ゴーン氏が会長に就任し、益子修会長兼社長が社長として留任する人事を決定。ゴーン氏の陣頭指揮で経営を立て直す。

 益子氏は総会で、「多大な迷惑と心配を掛け、誠に申し訳ございません」と謝罪。ゴーン氏は「再生に向けた新たな幕開けです」と決意を語った。新体制では、これまで2人いた三菱自の生え抜きの取締役がゼロとなる。不正を繰り返す企業体質の変革を図るため、外部人材による監督機能を強化する。

 総会では、取締役への報酬を業績や株価に連動させ、報酬総額の上限を来年度から従来の約3倍に当たる年30億円に引き上げる議案も可決された。

 ゴーン氏は日産の提携先であるフランス自動車大手ルノーのトップも務めており、三菱自を含めた3社間で生産拠点の相互活用や部品の共同調達などを推進し業績の改善を急ぐ。ただ、相次ぐ不祥事で地に落ちたブランドイメージの回復は容易でなく、ゴーン流改革の真価が試されることになる。

日産を短期間でV字回復に導いたゴーン氏が導入したのがコミットメント経営だ