日産が自動運転で完成車を搬送 追浜工場内で岸壁まで、人件費削減など期待

日産自動車が追浜工場内で試験運用する無人牽引車システム=5日、神奈川県横須賀市(会田聡撮影)
日産自動車が追浜工場内で試験運用する無人牽引車システム=5日、神奈川県横須賀市(会田聡撮影)【拡大】

  • 日産自動車が追浜工場内で試験運用する無人牽引車システム=5日、神奈川県横須賀市(会田聡撮影)
  • 日産自動車が追浜工場内で試験運用する無人牽引車システムは、先行車両が近づくと自動で停止する=5日、神奈川県横須賀市(会田聡撮影)

 日産自動車は5日、追浜工場(神奈川県)内の生産ラインから埠頭まで、無人の牽引(けんいん)車が完成車を運ぶシステムを報道陣に公開した。現在は専門の運転手が1台ずつ運転して運んでいるが、自動運転技術を活用して人件費削減などの効果を見込む。平成31年に同工場での本格運用を目指す。

 牽引車は電気自動車「リーフ」に2台のカメラと、レーザースキャナー4個を搭載。白線や縁石などを検知し、地図データと照合して走行位置を決める。従業員や先行車が近づくと自動で停止し、離れると再発進する。最高速度30キロで最大3台を牽引し、約1・4キロを約20分で往復する。

 日産は昨年6月に試験運用を開始し、現在は牽引車2台が1日3~4往復している。31年に計7台に増やし同工場の1日2交代勤務で運ぶ全1千台への活用を目指す。吉村東彦常務執行役員は「運転手の確保も難しくなるので自動運転技術を活用したい」と述べた。