東芝のパソコン事業を引き継ぎ、今年4月に設立した東芝クライアントソリューションは1日、ノートパソコン「ダイナブック」の新製品「Vシリーズ」の4機種4モデル(想定税込み価格16万円後半~23万円前後)を9日から順次発売すると発表した。薄型・軽量化に加え、生体認証や画面上の手書き操作などの機能を充実させた。
「東芝の技術を集大成した」
東芝クライアントソリューションの柏木和彦取締役は1日のVシリーズ発表会見で、こう誇らしげに語った。
本体は薄さ約15.4ミリ、重さ約1099グラム。米インテルの「第7世代コアプロセッサー」を搭載し、高速で起動し、高い処理性能を備え、バッテリー駆動時間は約17時間に及ぶ。
米マイクロソフトの最新基本ソフト「ウィンドウズ10」と、独自開発したカメラモジュールも組み込まれ、起動時の顔認証も一瞬でできる。高精細な4K動画を編集できるほか、静電ペンで画面上に文字を書き、太さや濃淡の表現力も豊かにした。
調査会社のBCNによると、ノートパソコンの国内出荷台数は10月に約2年半ぶりに前年比プラスに転じた。シェアで首位のNECに次ぐ富士通が販売を伸ばし、中国・台湾勢も好調だった。一方、東芝は7、8両月にシェアを伸ばした後は失速、レノボジャパンと3位争いに甘んじている。
国内市場は底打ち気配とはいえ、縮小傾向が続いている。こうした中、富士通とレノボが事業統合の検討を始めるなど再編の動きもある。東芝も富士通、VAIOと事業統合を検討したが白紙撤回した経緯もあり、まずは高機能商品を投入することで生き残りを図ることになりそうだ。