三菱自動車は30日までに、取締役への報酬を業績や株価に連動させ、本年度から報酬総額の限度を従来の約3倍に当たる年間30億円に引き上げると明らかにした。三菱自動車の会長に日産自動車のカルロス・ゴーン社長が就任する見通しで、業績の向上に伴い、高額な報酬を支払う“日産流”の手法を導入する。
三菱自動車が14日に開く臨時株主総会の招集通知で議案として提案した。
取締役候補には、日産のゴーン氏のほか、三菱自動車の益子修会長兼社長ら11人を提示した。
三菱自動車の生え抜きはいなくなり、日産や三菱商事出身者らを中心に三菱自動車の経営再建に当たる。
取締役の報酬総額はこれまで、年額で9億6000万円以内だったが、これに業績や株価に連動した報酬制度を取り入れ、限度額も引き上げた。
ゴーン氏の日産での役員報酬は2016年3月期で10億7100万円。ゴーン氏はフランス大手ルノーのトップも務め、同社からも高額な報酬を受け取っている。三菱自動車の会長となることで、さらに高額な報酬を受け取る可能性もある。
三菱自動車は、今年4月に燃費不正問題を公表。益子氏は、経営責任を取り、新経営体制の発足後に退任する意向だったが、ゴーン氏に慰留され、新体制下でも社長として残る予定だ。