日立・三菱重・東芝の原発3社、海外案件暗礁で苦境 最先端技術や人材の喪失懸念 (2/3ページ)

 日本は原発輸出を成長戦略の柱と位置付け、官民一体でベトナムでの受注を目指してきた。既に日本原子力発電が事業化調査に入り、技術者の研修も受け入れていただけに、打撃は大きい。

 一方、ベトナムとともに日本の受注が有力視されるトルコでは、7月にクーデター未遂が起きるなど、政情不安が懸念されている。トルコでは、三菱重工・アレバ連合が4基を受注する見通しだが、まだ事業化調査は終わっていない。日立がビサギナス原発建設の優先交渉権を得ているリトアニアでも、10月の議会選で反原発を掲げる野党が第一党に躍進し、計画の頓挫が危惧されている。

 そのうえ、11日に日本と原子力協定を結んだインドも、原発メーカーにも事故責任を負わせる原子力損害賠償法が壁となっている。

 このため、東芝子会社の米ウェスチングハウスが6基の受注を内定しているのを除けば、各社とも売り込みに二の足を踏んでいるのが実情。比較的順調なのは、日立と東芝が現地の発電事業会社を買収し、それぞれ4~6基、3基の建設を推進している英国ぐらいだ。

さらなる再編圧力も