パナソニックは28日、次世代パネル「有機EL」並みに明暗がはっきりとした映像を表示できる新型液晶パネルを開発したと発表した。来年の秋ごろに量産を始め、自動車や医療機器向けパネルの主力製品に育てたい考えだ。
新型パネルは画面に映る光の量を2つの層が独立して制御する構造を採用。表現できる明るい光から黒などの暗い色までの幅が従来パネルの600倍に拡大した。高い視認性と信頼性が求められる自動車のメーターや電子ミラー、医療用モニターなどでの採用を目指す。
パネルは姫路工場(兵庫県姫路市)で生産する。従来の設備を活用するため、新たな大型投資は不要という。パナソニックが今年8月末に不採算だったテレビ用液晶パネルの生産から撤退したのを受け、同工場は稼働率が25%程度に低迷。新型パネルを投入することで事業全体の収益改善を目指す。