携帯電話大手3社が、あらゆる機器をインターネットで接続する「モノのインターネット(IoT)」に本腰を入れ始めた。ソフトバンクは24日、来夏からIoT向け通信規格を使った駐車場監視など各種サービスを提供すると発表。NTTドコモやKDDIも来年からIoT向け通信規格を使ったサービスを展開する方針で、2017年は携帯電話大手にとって“IoT元年”となりそうだ。
IoTが普及すると、センサーや家電など膨大な数の機器が常時ネットでつながる。
IoT向けの通信規格は、1基地局当たり数万単位の機器とつながることや10年以上充電無しで作動する低消費電力が求められる。
ソフトバンクは24日、こうした特徴を持つIoT向け通信規格の一つ「NB-IoT」に対応した機器を用いた「スマートパーキング」実験を行った。NB-IoTにつながる機器の上に車が止まると、車の持ち主のスマートフォンに駐車したという情報が表示される。
ソフトバンクの北原秀文統括部長は「来夏からNB-IoTなど3種類のIoT通信規格の提供を始める」と述べた。3種類の通信規格は、LTEの既存基地局のソフトを更新するだけで提供できるという。
ドコモは既存の基地局を使ったIoT通信規格の実験を進めており、来年度にサービス展開を予定している。
KDDIは来年2月から、京セラの子会社が国内展開の権利を取得したIoT通信規格「シグフォックス」を使ったサービス提供を開始する。